音楽で犬や猫を癒うすとされているプレイリストはたくさんある。
しかし、それは本当に有効なのか?
これは、スローなクラシック、ピアノの音などが効果があったという話。
犬の耳にはどのように音楽が聞こえているのだろうか?
BBCより、
Does music make animals calmer?

【科学的根拠あり】犬や猫は音楽で本当に癒される?愛するペットのための効果的な選び方と聴かせ方
世の中には「ペットの癒しに」「お留守番の不安軽減に」といった、犬や猫のための音楽プレイリストが溢れています。
ゆったりとしたクラシックやピアノ曲などが「効果的」だとされていますが、本当に愛するペットの心と体に良い影響を与えているのでしょうか?
本記事では、この疑問に科学的な研究結果に基づいて解説します。また、犬や猫の聴覚の特徴から、より効果的な音楽の選び方、聴かせ方を深掘りします。
1. 音楽で犬や猫は本当に癒されるのか?科学的な根拠
結論から言うと、特定の種類の音楽は、犬や猫のストレスを軽減し、リラックスさせる効果があることが、近年の動物行動学や音楽療法の研究で明らかになっています。
特に、動物保護施設(シェルター)など厳しい環境に置かれた犬や猫を対象にした研究では、音楽が以下の効果をもたらすことが示されています。
| 効果 | 詳細 |
| ストレス軽減 | ストレスホルモンであるコルチゾールの値の低下が確認されています。 |
| リラックス | 心拍数や呼吸が安定し、活動的すぎる行動(徘徊、吠えなど)が減少し、睡眠時間が増える結果が出ています。 |
| 副交感神経の活性化 | 人間と同様に、リラックス時に働く副交感神経が優位になり、α波と呼ばれる脳波が生じることで、穏やかな状態になります。 |
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これらの研究結果は、特定の音楽を聴かせることで、ペットの心理状態を良い方向にコントロールできる可能性を示しています。
2. 犬と猫に「効く」音楽の具体的な種類と特徴
「癒し効果がある」とされる音楽の中でも、犬と猫では好む音の種類やテンポに違いがあります。
■ 犬にとって効果的な音楽
研究で最も高い効果が認められたのは、ゆっくりとしたテンポ(スローテンポ)のクラシック音楽です。
- 特に効果的な音楽:
- バッハやヴィヴァルディといったウィーン古典派のゆったりとした楽曲。
- シンプルな構成のクラシックや、ピアノの穏やかな音色。
- 避けるべき音楽:
- ヘビーメタルや激しいロックなど、アップテンポで大音量の音楽は、犬の神経質さや不安を高めることが研究で示されています。
犬は、落ち着いたテンポの音楽を聴くことで、休息している時間が増加し、吠えや震えなどのストレス行動が減少します。
■ 猫にとって効果的な音楽
猫は、人間の音楽よりも、**猫の鳴き声(ゴロゴロ音など)の周波数や、猫のコミュニケーションのリズムに合わせた音域・テンポの「猫専用音楽」**に特に反応してリラックスすることが分かっています。
- 特に効果的な音楽:
- 猫のゴロゴロ音(パーミング)を模した特定の周波数が含まれる音楽。
- 落ち着いたゆったりとしたピアノ曲(猫はピアノの音を好む傾向があると言われています)。
- ポイント:
- 猫は犬以上に繊細です。静かな場所で優しく流し、もし落ち着かない様子を見せたらすぐに止めることが大切です。
3. 犬の耳は音楽をどう聞いているのか?人間との違い
愛犬や愛猫が本当にリラックスするためには、彼らの聴覚特性を理解することが重要です。
犬や猫は人間と比べて**「可聴域(聞こえる音の範囲)」が非常に広く**、高周波数の音(超音波)まで聞き取ることができます。このため、人間には聞こえない遠くの音や、環境音の変化にも敏感です。
| 特徴 | 犬 | 人間 |
| 可聴域(最高周波数) | 65,000Hz〜45,000Hz | 20,000Hz前後 |
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【犬の聴覚に基づく音楽の効果】
動物にとって、**長く、ゆっくりと下降する音(長調のトーン)は「落ち着き」や「安心」**といった感情を誘発する傾向があり、**速く、細かく、音程が上昇する音は「興奮」や「警戒」**を促す傾向があります。(これは動物の自然なコミュニケーション信号のリズムに似ています。)
そのため、クラシック音楽の中でも「ゆっくりとしたテンポ」や「穏やかな音色」が、犬の不安を鎮め、リラックスした状態を保つのに役立つと考えられています。
まとめ:愛するペットに音楽を聴かせるための実践ヒント
音楽は、愛犬や愛猫のストレスを和らげる有効な手段となり得ます。実践する際は、以下のポイントを試してみてください。
- 音量に注意する: 可聴域の広いペットにとって、人間が「心地よい」と感じる音量でも大きすぎる場合があります。ごく小さな、BGM程度の音量で流しましょう。
- テンポを選ぶ: クラシックの中でも、ゆっくりとしたテンポの曲を選び、激しいリズムや大音量の曲は避けてください。
- 反応を観察する: 音楽を流した後、犬が伏せて寝る、あくびをする(リラックスサイン)といった様子が見られるか観察しましょう。もし耳を伏せる、うろうろするなど落ち着かない様子を見せたら、その音楽は合っていない可能性があります。
- 「猫専用音楽」も試す: 猫の場合は、人間のためのクラシックだけでなく、猫の周波数に合わせた専用の音楽を試してみるのも効果的です。
多くの研究が、愛するペットの幸福度向上に音楽が役立つことを示しています。ぜひ、あなたのペットに合った「癒しの音」を探して、安心できる空間づくりに役立ててみてください。

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